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著者の竹内先生は認知症のケアでは有名なお医者様です。
水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない (講談社+α新書) 竹内孝仁
(著者の竹内先生は認知症のケアでは有名なお医者様)
前回は認知症の方は脱水からくる、意識の覚醒ができず、今の状況も認知できない
混乱が継続的に起きていると書きました。 人の名前や顔も、<忘れた>ではなく、<混乱している、認知障害がおきている>だけで
記憶が壊れたわけではないのです。 だったら脱水を改善すればいいわけですよね。
人間の体のおよそ半分を占める水分のうち、わずか1、2パーセントが失われただけで、 意識はおかしくなってしまいます。
(熱中症などがいい例)
一日、1500ccの水を飲むことで、症状はほとんどとれ、たった一、二日で治まって
しまうことも少なくないとのこと!
●お水の大切さ
どんな世代でも、脱水は危険ですが、人間にとってのお水の必要性とは、 <水がないと体が作れない>のです。
人間のからだの半分以上を占めるのが水。 そのうちの6割が細胞内。 残り4割が、血液や体液(細胞外)
細胞とは、たんぱく質製造工場なので、私たちの、毛髪、つめ、肌、内臓、骨、 筋肉すべてたんぱく質!
お肉やお魚を食べて、分解酵素で分解されて、人間用のたんぱく質に 組み立てられる過程に必要なのが<水>なんです。
(加水分解)
また体の中の水分として代表的なものは血液ですが
血液中には、栄養素、酸素、炭酸ガス、熱を運んで、体液の酸性、
アルカリ性の調整も担っているし、老廃物と一緒に外に出す役割も。
●高齢の方がなぜ脱水してしまうか
高齢になると感覚機能が落ちてのどの渇きを感じない。 お水を飲む習慣がなければなおさらです。
また若いころより筋肉が落ちていることもひとつ。 筋肉が多いほど、水分も多く蓄えられます。
中年期以降の人も、筋肉が落ちている場合は脱水傾向になりそうな事実・・・。
赤ちゃんも筋肉量が少ないので脱水になりやすいです。
●水分不足から起こる症状
500~750cc(体内の2~3パーセント)不足すると、発熱、循環機能に影響が出てきます。
水は、細胞内の熱を捨てるために必要なので脱水が起きると、体内に熱がこもり始めます。
※脱水の兆候は<微熱>
脱水がおきる→血液がどんどん濃縮→血液どろどろ→血液循環が悪くなり→脳梗塞などがおきる
高齢者の場合は通常の体温が低いので36.5度で発熱、認知症の場合は この体温ですでに脱水状態。
認知症の脱水の兆候はまず、
「元気がなくなる」・・・介護の量が増えたり、起き上がれなくなる
(体の動きが鈍いのは軽い意識障害がでている)
「意識障害が急速に進む」・・・すぐに、せん妄や徘徊を引き起こすようになる
「興奮や粗暴もでてくる」
これらが水分補給することによって1日か2日で症状が消えてしまうことも珍しくないのです。 すごい・・・。
意識障害というのは、血液がどろどろになって、脳の循環が悪くなり起こりますので 年をとって、血管の質も、血液量も低下すれば
当然脳の機能が落ちて<異常行動>につながるのは想像できますよね。
これらの内容が以前NHKでも特集されていましたし
最近はバラエティ番組で実際に行動にうつされたお宅の密着映像も私は見ました。
元アイドルの方が引退されて
義父の世話をしていました(寝たきり、せん妄、痴呆)
義父は人に起こしてもらえないと立てないほど介助も必要で
世話をしているお嫁さん(元アイドル)も認知できませんでした。
あるときお嫁さんがTVでその先生の理論を提唱している番組を見て すぐに、
1日1500cc以上を工夫して飲ませたところ 一ヵ月後には ひとりで立てるようになった(!)
お嫁さんの顔も理解できていた(!) 目に光が出て、顔がしっかりとしていた(!)
と、見た私も衝撃的な変化でした。
やったのは本当に、1500cc以上の水分補給だけだそうです。
今回は認知症と脱水の関係を、2回にわけてご紹介しましたが この本には水分補給の工夫の仕方や認知症への理解を深める内容など、
現在身内でいらっしゃる方、今後可能性が近いうちに出てくるかたなどにも 非常に興味深い内容になっていますし
認知症に限らず 脱水はこんなに影響があって怖いものなんだという認識もできた、いい本でした。
ぜひ皆さんにも読んでいただきたいと思います♪
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